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私が出産をして早6ヶ月。コマチは元気に育ち今ではハイハイまでするようになった。
街はクリスマスムード一色に染められ司さんも仕事に追われ忙しそうだ。
だけど司さんはいつも真っ直ぐに帰宅してくれて、食事は必ず家族三人で食べることにしている。仕事が詰まっていれば食事後に再びお店に戻るけれど今日は大丈夫な日みたいだ。
「司さんコマチのオムツを替えてくれますか?」
私はリビングでコマチとじゃれあっている司さんに用事をお願いした。
「まかせてくれ」
司さんは疲れているのにも関わらず快く引き受けてくれた。
私はキッチンで洗い物をしながら二人の様子を眺めていた。
「コマチッチ今からパパがオムツの交換するからな~」
1分経過
「ちょ、ちょっとまちなさい!」
2分経過
「こら!」
「司さん変わりましょうか?」
司さんはオムツを外すどころかロンパースを脱がすまでも至っていない。
「いや、あと少しだ」
(あと少しって……さっきから変わっていないのは気のせいかしら?)
司さんの額からは奮闘の証である大粒の汗が垂れ流れていた。
「コマチお願いだ、じっとしてくれ!」
呪文のようにコマチに言い聞かせながら経つこと10分やっとオムツを外すことに成功した司さんはふーっとため息をついた。
「司さんお尻もちゃんと綺麗にペーパーで拭いて下さいね」
「了解!」
私もここまで行けばもう大丈夫だろうと思い一気に洗濯まで終わらせようと脱衣所に移動した。
するとその時だった。
「ウアアアアアア!」
「え!?」
(どうしたんだろう!!)
司さんの叫び声にびっくりし私はリビングに急いで戻った。
すると司さんは顔を手で覆いなんだか大変そうだった。
「目が目が開かない!!」
よく見れば司さんの顔がコマチのオシッコまみれになっていた。
「美咲やっぱりバトンタッチだ!」
そう言い司さんは目をこすり至るところに体をぶつけながら洗面台に向かって行った。
「はい、コマチ終わりましたよ~」
結局洗濯は明日に回すことにして私は司さんと交代しコマチのオムツ替えをした。
そして、スッキリしたコマチはハイハイで司さんのいる洗面台に向かって行った。
「すまない美咲」
顔を洗い終え途中で出会ったコマチを抱きかかえ司さんはしょんぼりしながらリビングに戻ってきた。
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