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最終話
「美咲これでお別れだ」
「はい、……今までどうもありがとうございました」
司さんはそれ以上何も言わずに三嶋麗香の手を取り深い霧の中へ歩いて行った。
ぽろぽろと無数の涙が流れ落ちる。
「司さん、さようなら」
離れたくないと、心がそう叫んでいる。
だけど、もう遅い……すべては終わってしまったんだ。
自らの手で終止符をうったのだから。
お互い別の道を歩くことになった今、引き返すことが出来ない。
でも、……やっぱりだめだ、涙が止まらない。
司さんが側にいないと……この涙は一生止まらない。
「司さん、行かないで……」
私の力無い叫びは誰の耳にも……大好きなあの人にも届かない。
一人は嫌だ……。
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