死角1

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高級マンションの一室で 健治は怒り狂っていた。 「テメェ!よくも騙してくれたな!」 そんな健治などお構い無しにサエは大きなソファーに寝転がりテレビを見ていた。 「なぁ~に?何そんなにおこってんのぉ? まさか~、本当は子供いないって言ったのがヤバかった?」 健治はサエの髪の毛を勢い良く掴みあげた。 しかしサエは顔色一つ変えずに、健治に挑発的な言葉を吐く。 「イタイッてば~騙したくらいでそんなに怒んなくてヨクナイ?ちっちゃい男♪」 「きさまぁぁ!!」 健治の拳がサエの頬をえぐり、サエはそのままソファーの向こうに吹き飛んだ。 「オレはお前のオモチャじゃねぇーんだよ!バカにしやがって!」 「ダハハハ……だってバカじゃん♪騙されているのも気付いてないし~」 サエは不気味に笑いながらフラフラ立ち上がった。 口からは殴られた衝撃で血が流れでている。 「サエをこんな目にあわせて、タダですむとおもうなよ!」 「それはこっちのセリフだ! お前は今まで俺が渡した金、みみ揃えて用意しておけよ! それが出来ないならテメェも美咲のように働いてもらうからな!」 健治はそう吐き捨てマンションから出て行った。 健治が出て行った部屋の中でサエは一人不気味に笑い続けていた。 「つくづく馬鹿な男……泣くのはアンタの方よ! あの男はきっとサエを殴ったこと後悔するんだからアハハハハ……」
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