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「私、精一杯がんばります!
皆さんよろしくお願いします!」
私は きちんと挨拶をやり直し 深く頭を下げた。
けれども、
半分の人達は、私の挨拶を黙殺し各自、持ち場へと戻って行った。
どこか取り残された気分になる。
その状況に困惑していると突然、甘い顔した近藤さんが、ズイっと私の顔近くまで迫って来た。
「そんな寂しい顔しない!」
(あっ……私、顔に出てたの?)
不意を突かれ、ドキッとした。
「あいつらは、美咲ちゃんのような可愛いスタッフが来たから照れてるだけだよ」
すごく綺麗な顔につい目を逸らしてしまう。
「ふふ、照れてる美咲ちゃんも可愛いね❤
司ん所じゃなく 俺の所においで。ウンと可愛がってあげるよ」
(えっ……もしかして司さん、私が司さんにお世話になってるってこと先に皆にはなしてくれてたの?)
「おい!イサミ!」
珍しく司さんは大きな声を出した。
「ハイハイ、……司は怒ったら面倒だからな」
クスクス笑いながら近藤さんは両手を上げた。
「あいつ、妬いてんだよ」
(!!)
私にボソリと耳打ちし、近藤さんはニンマリ笑った。
たちまち私の体温は上昇してしまった。
「ユウヤは美咲さんの教育係をお願いします」
「はっはい!任せて下さい!」
ユウヤ君は元気な返事をし、近藤さんに負けないくらい前に身を乗り出してきた。
「よろしくね、市原さん」
とても澄みきった瞳に、スゥっと引き寄せられそうになる。
その時、
「おいおい司、ユウヤに大事な美咲ちゃん預けて大丈夫か?」
陽気な口調で、もの申してきたのは、あのダンディーな松崎さんだった。
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