満月に照らされて

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皇女の失踪から約半日が経ち、街が朱く染まっていく 「はぁ……はぁ……」 そんな中アリスは人通りの少ない街の奥へ奥へと、緩い上り坂になっている石畳の街路を駆けていく 「それにしても……動きづらいわね、この服」 動きやすさなど考えて作られた服じゃないので当然なのだが、つい文句が口をつく そんな事を考えていると ギリッ いきなり右腕を後ろ手に捻りあげられる 「無礼者ッ、何者だ放せっ!」 咄嗟の出来事にもアリスは右腕の痛みよりもプライドが反応する 「私でございます、お嬢様」 後ろから聞こえた声はアリスの良く知っているものだった 「ペルラ、誰の許しがあってこのような 「お嬢様の御父上の許可にてございます」 」 自分の専属メイドで唯一の側近であるペルラを叱り付けようとしたが、逆にアリスが黙らせられる 「失礼を承知で申し上げさせて頂きます」 アリスがペルラを見れない状況でもペルラは丁寧に頭を下げて断りを入れる
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