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「ぐ、あっ!」
しかし声を上げたのは意外な方からだった
「あ……ぁっ……」
女は一生懸命絞りだすような声を出す
「あのさぁ、紛らわしい真似しないでくれない?
イライラするんだけど
それこそ食べちゃいたいくらい」
男は女の首を片手で締め上げ、女は必死に男の手を解こうと両手を男の手にかけ、足を宙でばたつかせている
「はぁ、ホンッとに……
この麻薬中毒者どうしてやろうか」
「っーぁ……」
男は締め上げている女に微笑みかけるが
女は既に声にならない声をあげ、目を見開き空を見つめていることしか出来ない
「そうだね
選ばせてあげようか
ん~とぉ……」
男は余った指を顎に当て、選択肢を考える
「一つ目、このまま絞殺」
女が微かに首を横に振るのが腕伝いに分かった
「二つ目、惨殺
僕の気分が晴れるまで切り刻んだり燃やしたりする素晴らしい選択肢」
さっきより強い否定の振動が伝わってくる
「じゃあ、最後
僕の奴隷になること
身体の自由は無くなるけどそのかわりこの事件は揉み消してあげるし、少なくとも今死ななくて済む
どうする?」
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