絵本の中へこんにちは!?

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「あ、駄目 吐き気してきた」 「慣れますよ、多分」 「だと良いな…ってお前アイマスクしてんじゃねぇか!!!」 「あんなの見たら目が確実に腐ります」 城は最低最悪な、こんな物がこの世にあって良いのだろうかと言えるほど悪趣味な景観をしていた まず赤と青と黒、それぞれ三つの色の塔が建っている …まぁそこまでは良いとしよう それからその塔の上から下までが薔薇という薔薇に埋めつくされていた 上から下までぎっしりと そりゃもう気持ち悪いほどに ……百歩…いや千歩譲ってそれは良いとしようか 本題は城だ 城の色は… マーブル や、本当真面目に気持ち悪いマーブル こんなものをレオナルド・ダ・〇ィンチやましてやピ〇ソでさえもあれを見てしまえば即昇天だ とりあえず素晴らしい美意識をもつやつにあれは直視できない …ここにも一人、今にも吐きそうなやつがいます そのマーブル 異次元空間の色にさえ見えてしまうほどのその城に更に追い撃ちをかけるように所々に… うん、もう言うまい 言わなくてもわかるだろう 色とりどりの美しいはずの薔薇が城を覆っていた しかも色関係なし 赤のとなりに青とかね 黒のとなりに黄色とかね それでその調子で色はごっちゃになっているというね …帰っていいですか 「何この城 世の中の美を愛する人達号泣だよ、ってかあまりの酷さに死んじゃうよ これこの世に存在して良い建築物じゃないよね、絶対」 「……美に対する冒涜だ」 ふらりとよろめくリーヤを慌てて支えるルミネ 彗はアイマスクをしていたし、十夜はサングラスをしていた …お前ら知ってたなら初めから教えてくれ セナだけがケロッとしていたのはびっくり …この子美的センスがおかしいのかもしれない  
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