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そんな時…
「赤薔薇様!」
『あら、シロちゃん』
向こうから誰かがすごいスピードで走ってきた
一瞬のうちに私達の前に来たその人は呆れながら赤薔薇に話しかけた
「赤薔薇様!また勝手に城を抜け出して…何かあったらどうするんですか!」
『私がそんな目に合うと思って?ありえませんわ』
…誰?この子
小さな背丈に可愛らしい顔、そんな顔に不釣り合いな大きなメガネ、そして頭にはシルクハット…
これは…
「………萌え」
「とうとう頭イカれましたか」
「うっさい!この子は萌え以外の何者でもない!…で、誰?」
「歩くパソコンと呼ばれています」
「………歩くパソコン?」
彗は何やら嫌そうな顔をした
それは彗だけでなく、ルミネやリーヤなど皆もだった
「…彼の名前はシロ、白ウサギです
アリスにベタ惚れな面倒くさい奴ですよ」
「…まじっすか」
あの惚気話しが怠いっていう…
するとシロ君がこっちを見た
「…と、あなたは姫乃さん
本日はようこそ、ローズへ
スザンの都はどうでしたか?」
「え!?何でスザンの都を通った事を知って…」
「シロが歩くパソコンっていうのは徹底した情報管理、情報収拾がすごいからなんだ~
頭も良いし走る国語辞典とも呼ばれてるんだよ!
だからシロはローズの最高権力者達の側近みたいなものなの」
「へ、へぇ…」
歩くパソコン…か
その脳みそ私に分けて下さい…
「あ、スザンの都はすっごい綺麗だったよ!」
「そうでしょう…しかしアリスの美しさには敵いませんね」
「………は?」
生き生きとした顔付きになるシロ君
皆はげっそりしている
「…………長くなりそう……」
ぽつんと呟いた十夜
何か遠い目をしてるんですけど
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