293人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
ブワッ
強い風が部屋の中に吹き荒れる
「…っ!?」
目を開けていられない程の強い突風
息をする事さえままならない
いや、これは風の影響だけじゃない。なんなの?この威圧感は
重々しい空気の中彗がポツリと呟いた
「この魔力をまず抑えて下さい
姫乃さんは一般人です。あまり強すぎると体に影響が出ますよ?」
『ふん、お前なんぞに命令されなくとも分かっておるわ』
変なやりとりのあと体がすぅっと軽くなりあの重々しさも消えた
「だ、れ?」
そっと目を開ける
何だろう…怖い
『そう警戒するな、立川姫乃
何もしないさ』
目の前にはさっきまではいなかった一人の少女が立っていた
可愛いのにどこか老成した喋り方
見た目は十四歳くらいだ
「え……っと………」
『おぉ。自己紹介が遅れたの。
我はナルシー・ポワロフ・フランツェ
長ったらしいから黒薔薇で良いぞ。周りの者はそう読んでおる。我は黒薔薇が大好きで家の周りには黒薔薇ばかり咲いておるからのぅ』
「はぁいやあの…」
『そう言ってもわからないか。
ふむ…トラブルの元凶でありヨハネス王国の意地の悪い魔女だと言えばわかるか?』
ちっちっちっちっちーーーーーーーーーーーん
「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!???」
突然何を言い出すんだ!?この女の子!こんな愛らしい子があの糞魔女!?
世の中不公平だろ!なんでこんな可愛い子が…根性悪魔女なんだよーーー!!!
最初のコメントを投稿しよう!