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「…あぁそうか、姫乃にはまだ言ってなかったね
絵本っていうのは僕らの世界を映し出す鏡って言っただろう?
ただ僕らだって生きているから時間が過ぎていく
うーん…何ていえばいいんだろうね?簡単に言えばその鏡は過去も未来も移す鏡なんだよ」
「あ、そっか
いつまでもそのまんまじゃいられないしね」
「そうなんだ
それでその鏡は一部修正…または削除してるんだよね」
「………はい?」
「例えば君は彗が毒舌って知ってたかい?」
「知らない…だってそんなの絵本には書いてなかったもん」
「だろう?それはね、イメージが崩れるからだよ
絵本の鏡は物語を都合良く修正してるんだ」
「へー…」
「美女と野獣も修正されていてね
呪いを受けたのは本当なんだがその呪いは野獣なんかじゃなくて王家から100年間退く事・また一日15時間の睡眠を強要される事だった
王家に戻りたければ運命の人を見つける、それが呪いの正体
けどそれじゃあつまらないって言うので絵本では野獣に修正」
「た、大変なんだね…ってか複雑……」
これは整理しなきゃ分かんなくなるよなぁ…
私馬鹿だもん…
「……話し………終わった?」
突然さっきの声がまたした
忘れてたよ、この人の存在!!
「………君が姫乃……?」
たどたどしい口調、今にも閉じそうな瞼
…眠いのか?こいつ
「…………………ぐー」
「十夜君ーーー!寝ちゃダメだよーー!!!」
「十夜、君まだきちんと睡眠とってないだろう?」
「…………ん…
まだ………13時間…………」
まだっておい!!
充分だろ!!!異常だよ!?
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