ろく★→闇の学校と闇に住む人々

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僕のそんなどろどろした気持ちを知るはずもなく耳障りな会話は続いていく 『覚悟はある』 黒と玲の言葉に、黄ぃは黒と目を合わせ決意の言明をする 黄ぃの瞳は決して揺らぐ事の無いような強い瞳をしている 僕は、黄ぃがどんな覚悟をもってこの話を聞こうとしているのかは全く分からないけど こんな話を聞いて欲しく無い 覚悟なんて無い方がどんなに楽な事かと思う いっそのこと全てをやめてしまえ、そんな願いすら感じる だってそうしたら そうしたら僕は―――― 『フンッ、俺様だってそんな覚悟があるか無いか何て愚問の質問だな』 『お前の覚悟は不純な動機からだろう』 『ンだと黒、オメェこそ興味云々の軽い理由からだろうが』 『ハッ、俺の理由が軽い?まぁ貴様の頭では俺の考えがお前に伝わるはずもないな』 チッ、糞面倒くさい碧と黒の喧嘩がまた勃発した もともと相容れない二人なのだろう 碧と黒 昼の青と夜の闇の存在 だが今は、時と場所……じゃなくて今は時を分かって欲しい 嫌いなら嫌いでさっさと用件話してさよならしたら良いのに 『オイッ、お前等先に話が進まねぇだろうが』 あ、黄ぃが仲裁入ったよ 何かもう普段と違って、凄く黄ぃが頼もしく見えるよ それにしても黒は“黒い仲裁者”の異名を持つのに、全然仲裁してないし寧ろ喧嘩吹っ掛けてるし 本当、現実って酷いもんだね とにもかくにも今現在、黄ぃのお陰か黒と碧の口論は失せ 一触即発状態の睨み合いが続いている 『……ハァ、碧衣はこの話をちゃんとした気持ちで聞くんだろ?』 『――チッ、あぁテメェラ『黒翼』の情報に俺等が行動する価値があれば“俺は動く”だけだ』 『ふぅん、さっすがッNo.1のチームだけあるねぇ!アハッ』 碧が自らの気持ちを出した厳しい空気中に、興奮を押さえきれない玲の高笑いが響いた 『フンッんな事言うくらいならちゃんとした情報あるんだ方な』 『この情報をどう判断するのかも俺の興味内に入る』 『だからぁ、何も起こらなくでもそれはそれて僕らが求めた答えになるんだよぉ』 『相変わらずふざけた思考だな』 ため息がてらに頭を掻き嫌そうにする碧 そんな碧を見ながら黒は楽しむ そんな碧を見ながら玲は喜ぶ
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