学び

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学び

秀との交際がはじまってから、私の生活は少しだけ変わっていった。 週末には、秀が来てお昼間は子供達も交えて、何かをする。 絵の具を持って公園へ出かけ、子供達は気まぐれに、お絵かきをしたり、遊具で遊んだりしている。私と秀は、風景画を描く。秀の書く絵は秀をそのまま描いたような絵だった。強い筆圧で、タッチは優しい。そして繊細でリアルに景色を写していた。 でも、私は思いはじめていた。絵に関して言えば、秀とは同じスタートラインのはずだ。だから秀には、負けたくなかった。 私は、グラフィックデザインを学びに学校へ通っていた。DTP制作技術や、デザインについての勉強をしていた。 周りで学んでいるのは、美術系の大学を卒業した人達等、その道に携わってきた人が殆どであった。だけど、私なりの目的や考えがあって学んでいたので、絵心について、勝てる気なんてしていなかったし、勝とうとも思っていなかった。でも、誰かに勝ってみたかった。そこに調度良かったのが秀たったのだ。 でも、完敗だと私は思っていた。 秀と私の絵を比べると、人として私にまだ足りていないなと思う物が沢山見えていた。 ただ、もしかすると、それを持っていない私だから、好きになってくれたのかもしれない。
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