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直樹:『いつもさ、物事や言動を先読みして、
お前にこう言ったら、お前を傷付ける。
こう言ったら、お前はどう思うだろうとか、
先々ばかりを考えて、お前をﾌｫﾛｰしてる様に見える。
だけど、そんな事してたら、郁ちゃんが疲れちゃうぞ。
先を見るのは悪い事ではない。
だけど、目先の事を考えるのも必要だし、
郁ちゃんに先を読ませてしまうのは太志、
お前にも原因があると思うぞ。
夫婦なんてさ、所詮、他人だよ。
だから、どう上手く生活をして行くかを考えなきゃいけないんじゃないかって、
俺は思うけどな。
心配かけたくないのは解るけど、
秘密にする事が増えて、上手く行かなくなる事だってある。
太志、
郁ちゃんの事、
あまり、過保護にならない様に
気をつけろな･･･？』
太志は周りに気付かされるなんて･･･と思った。
確かに、直樹が言う様に、
郁美は先を読む所がある。
それをさせてしまっているのは、
自分自身なんだと、
この時、ようやく解ったのである･･･。
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