ルウ

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そうして、太志は自分の生い立ちを直樹に話す。 太志:『直樹、今から俺の話しをよく聞いてくれ。 俺の両親は実の親じゃないんだ。』 直樹:『はっ!?』 太志:『だから、俺の、親父とお袋は俺の実の親じゃない。 俺は養子なんだよ。 俺が生まれてすぐ、実の親に捨てられて、今の両親が養子として迎えてくれた。 お袋な、ルウちゃんと同じで、妊娠しにくい体質だと診断されたみたいで、養子を貰う事にしたみたいなんだ。 そうして貰ってくれたのが俺だ。』 直樹:『そうだったのか。』 太志:『そこでだ。 ルウちゃんを俺のお袋に会わせてみないか? 同じ傷みを抱える者同士の方が解り合えると思うんだ。』 直樹:『良いのか?』 太志:『お袋には俺から話しとくから、ルウちゃんには、ただ、皆で俺の実家に遊びに行こうとだけ伝えれば良い。 その為にはルウちゃんと早く仲直りしろよ。』 直樹:『解った。ありがとうな。 俺、帰るよ。 ルウが一人だから心配だし。また日程決まったら教えてくれ。』 太志:『おう。気をつけて帰れよ。』 そうして直樹は帰って行った。 郁美:『大丈夫かな。』 太志:『大丈夫だよ。』 二人はいつ実家に行くか話し合いをした。
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