北山 菊&三枝 ルウ

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ルウは涙でグチャグチャになった顔を拭き、ジッと菊の目を見る。 これから聞く事は、ルウにとって、とても衝撃的な事となる。 そしてゆっくりと菊は口を開き、自分の過去を話し出す。 菊:『私もね貴女と同じなの』 ルウ:『えっ・・・!?』 菊:『太志は、私の実の息子ではないのよ。 太志は養子なの。 私の身体はルウちゃんと同じで、妊娠しにくい体質だと言われ、最後まで子供を授かる事が出来なかった。 その時、私も自分自身を責めたわ。 自分がこんな身体だから、愛する人の子供を産めないんだと。 衛さんも何も言わなかった。 私自身を責め立ててくれれば楽なのに。 衛さんは「大丈夫」と言うばかりだったわ・・・』 菊は一旦、ここで口を閉ざす。 コーヒーを一口啜り、ルウを見るとビックリした様子だった。 だが菊は、予想通りだと思っていたのである。 そうして また 口を開き、会話をスタートさせる。
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