北山 菊&三枝 ルウ

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菊:『私もね、今のルウちゃんみたいに子供が欲しくて、欲しくてね。 だけど、どんなに頑張っても駄目だった。 私達が途方に暮れていた時、担当医だった産婦人科の先生が児童施設があると教えて下さった。 私達は先生に言われた通り、その施設へと行った。 その時に出逢ったのが太志です。 生まれてすぐに施設に預けられたそうで・・・。 だけど大変だったのよ(笑) なかなか私達に懐いてくれなくてね。 やっと懐いてくれたのが、通い続けて1年ぐらいの時。 あの子から私達の所へ来てくれたの。 嬉しかったわ。 衛さんと話し合って、あの子を養子に迎えようと決めたの。 でもね、まだあの子に話していない事があるの』 菊はここから先、口に発して良いのか迷いが出てしまった。 菊:『・・・。』 ルウ:『大丈夫ですか!?』 菊:『えぇ。大丈夫よ・・・』 少しの間 沈黙が流れた。
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