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菊:『私ね、ルウちゃんを見てると、昔の自分と重なるの。
自分を責めて、泣いて、衛さんを困らせて。
毎日、毎日、途方に暮れていてね。
だけど、これじゃ駄目だと思った。
ルウちゃん。
貴女もそうなんじゃない?
頭では、これじゃ駄目だと解っていても、心が付いて行かない。
現実を受け入れる事が怖くて、現実逃避したくなって、つい逃げてしまう。
だって、現実から逃げている時が、1番気持ちが楽だから。
だけどね、それじゃ後にルウちゃんが壊れてしまうわ。現実を受け入れなきゃ駄目。
現実から逃げてはいけない。
ルウちゃん。
子供が出来なくて、苦しんでるのは、ルウちゃんだけじゃないのよ。
何十人、何万人といるわ。
自分だけが、苦しんでいると思ってる所があるでしょ?
でも沢山の人が苦しんでる。
悲劇のヒロインになっては駄目よ。
これは、経験している私だから言えるの。
私も昔はそうだったから』
菊は、必死にルウに話す。
その様子を皆は見つめる・・・。
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