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太志を引き取ると言う事に、さまざまな条件が言い渡される。
・自分の本当の子供として 育てられるか。
・愛情をきちんと注ぐ事が 出来るか。
・育児放棄をしないと約束 出来るか。
そんな事細かい条件が沢山言い渡された。
衛も菊も全てを承知した。
その中で、菊はある事を担当者に尋ねたのである。
菊:『あの・・・。
息子を私達の籍に入れるのは、まだしなくても大丈夫でしょうか?』
担当:『どういう事ですか?』
菊:『あの子が20歳を迎えた頃、真実を話します。
その上で、あの子の意思を聞き、あの子の意思を尊重したいのです。
それに・・・。今は・・・。
まだ、実母との関わりを残しておいてあげたいんです。
あの子の唯一の「小野」と言う苗字だけは今は取り上げたくないんです。』
そう菊は語った。
担当:『解りました。
本来は籍に養子として入れて頂きたいと言うのはありますが、そこまで考えてらっしゃるなら、大丈夫でしょう。
そこはお二人にお任せします。
ただ・・・。』
担当者はいつも子供達を里親へ引き渡す時、必ずする話しを始めた。
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