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太志が高校1年の時の、ある晩の事だった。
菊が衛に居間で話しをしていた。
菊:『ねぇ、衛さん。』
衛:『どうした?』
菊:『太志が20歳になったら、真実を話すって決めたわよね?
もうあの子も高校1年生になって、後、3年もしたらあの子に話さなければいけない。
だけど、恐いの。
あの言葉を言った時、太志が耐えられるのか、
私達をどう受け止めてくれるのか恐いのよ。』
衛:『だが、いつかは言わなければいけないんだよ。
太志が養子である事を。
大丈夫だ。
太志なら解ってくれるさ。
僕はそう信じているよ。』
その時、ドアの向こうからカタンと言う物音がしたのが聞こえ、
菊はドアの方へ向かって、確認したが、誰も居なかった。
だけど、本当はそこには、飲み物を取りに、2階からリビングに下りて来ていた、太志が居たんだ。
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