郁未

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確かにそうだ。 夫婦は元々、育った環境も、受けて来た教育方針も、それぞれの家庭事で異なる。 そんな他人同士が一緒に生涯を共にし、同じ屋根の下に暮らす。 大変なのは当たり前だと、郁未は、そう思える事が出来た。 郁未が色々考えていると、菊は微笑んだ。 菊:『本当、郁未ちゃんは素直な子よね。 思った事を素直に表情に出せる。 太志が貴女を選んだ理由がまた、解ったような気がするわ。』 郁未:『どういう事ですか?』 菊:『郁未ちゃんはね、いつも心配かけたくないからと、嘘をつこうとしてるみたいだけど、 表情にそのまま出てるから、解りやすくて可愛いんだと、太志が言っていたのよ。 考えてる事も表情に出てるから解りやすいって。 あぁ。 俺の事を思って優しい嘘をつこうとしてるんだと思うと、守らなきゃっていう、責任感が沸いて来るみたい。 あの子は、見てないようで、ちゃんと見てるのよ。 家族の中でも、あの子が1番、人の気持ちを感じやすいから。』 菊は一旦、ここで話しを止めた。
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