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痩せ細り筋肉の落ちた背中は、病気の進行を示していた。
人の気配に気が付いたのか、勝也は不意に振り返り、そこにリクの存在を認めた。
勝也の目が、みるみる閏んで涙でいっぱいになった。
テレビには、アジア選手権の決勝のビデオが流れている。
勝也は、一度鼻をすすると急に真顔になり、リクを睨み付けた。
「リク。練習はどうした?こんな所でサボってていいのか?」
リクも真顔になり言った。
「ああ、お前がくたばって無いか、わざわざ見に来てやったよ」
「生憎だったな、まだまだくたばらないぜ。誰かのへなちょこシュートをブロックする力は残ってるさ」
二人は、数秒睨み会うとどちらともなく拳を合わせた。
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