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「君は、僕のライバルにはなれないよ」
楊に一言告げると、リクはトップギアに切り替えた。
地を這う程の低いドリブルで、楊を一気に抜き去る。
「なっ!」
楊は正直に驚いていた。これ程の人材が、こんな小さな島国に居る事が信じられなかったのだ。
いままで、スピードで負けた事の無い楊は驚きながらもワクワクしていた。
(俺を負かす奴がいるなんて、世界は広いなぁ)
楊の目に炎が灯った。
リクは確実に進化していた。
安東の元で、徹底的に鍛え挙げられていたのだ。
肉体、技術、精神。
バスケをする為に必要な物を、安東は二年掛けてリクに叩き込んで来た。
田代もその事は良く知っていたからこそ、この大会で優勝をする事はもちろん、リクをスターにする事も視野に入れていた。
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