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それ以上の会話は無いまま、車は病院に着いた。
「私達は車で待ってるわね」
リクは、母親の言葉に頷くと車を降りた。
病院の入り口を入り、真っ直ぐエレベーターへ向かう。
他の見舞い客と共にエレベーターに乗り込むと、五階のボタンを押した。
他の階に止まる事はなく、五階のドアが開きフロアに出る。
ナースステーションの前を通り、右に進むと三番目の部屋に『吉田勝也』と書かれたプレートを確認した。
リクは、小さく深呼吸をすると引き戸を開けた。
左の窓際に真っ直ぐ進む。
カーテン越しにベットを覗くと、イヤホンを付けテレビを見ている勝也の背中が見えた。
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