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缶コーヒーを受け取ると、長椅子に腰を掛けた。
「実はね…」
勝也の母親は、迷っていた。
リクに話したところでどうなる物でもないが、勝也の親友であるリクに黙っているのも心苦しかった。
リクは、話を邪魔しないように黙って待った。
「あなたには、話をするべきね」
「勝也は…かなり厳しい状況なの…」
「先生の話では…心臓が限界らしいわ」
覚悟はしていたが、やはりショックだった。
「治せないんですか」
「可能性があるとすれば…」
「可能性はあるんですね!」
「えぇ…移植」
「移植?心臓の?」
「そうなの」
「……」
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