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俺には、今こんなに心配してくれる人がいるんだ。
それなのに、俺はこんな所でくすぶって良いわけがないんだ!!
ルークは覚悟を決めたように前に出ていけば、苛ついた視線で此方に剣を振り上げてきた相手の剣筋を避けて、相手の腕を掴んだ。
「だって、俺がきちんと落とし前付けなきゃ、また『負』が溜まるだけじゃないか!……俺、そんなの嫌だ、アニス達みたいに自分にけじめを付けたいんだ!!」
そう言い切れば相手はビクリと震えた。
しかし、ルークは手を掴んだままに瞳を見つめる。
「そうだよ、俺は馬鹿だし。間違った事もする。……飽きられるかもしれない。
それは、今でも怖いよ…………だけど、だからって折角ここまで頑張った俺自身までを、無駄にするわけにはいかないんだ!」
そうだ、駄目でも直していける。これから、いくらでも変えられる。昔のままでいいことだって、あるんだと。思いのたけをぶつけた。
「………んな事言ったって、お前は、これ以上自分を追い詰めんのか?辛いんだろ?」
「……辛いよ。だけど、ちょっとだけどそんな俺も認めてくれる奴もいる。」
ルークは言いながら相手の髪の毛を優しく掴んだ。
「無理をすんなって、やれるだけやったら、たまには休む事も必要だって言ってくれる……だから、大丈夫」
ニコ、とぎこちないけど笑みを向ければ、自分の分身は剣の塚から力を落とした。
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