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「一番心配してくれんのは、今の仲間だ。姉さま達は復讐して欲しくて俺を生かしたんじゃない。俺に幸せに生きて欲しくて、助けてくれたんだ」
ガイははっきりとそう言うと、己の『負』に向けて手を差しのべた。
「……もう止めようぜ。復讐に囚われるのは。俺は、自分が幸せになれる方法を見つけるよ」
そして諭すようにゆっくりと、優しく言えば
相手は剣を落とした。
「……幸せになれんのか?」
「なろうとすればなれるさ。こんなにも俺は皆に助けられてるんだ」
「…………復讐を、諦めるのか?」
「復讐より、もっと有意義に過ごす方法があるだろ?」
そう言えば、相手は恐る恐る己の手を握った。「約束だからな」と言う言葉を残して。
途端に身体はゆっくりと消えて、ガイの中に収まっていった。
「………悪かったな。迷惑かけちまって」
完全に一人になれば、振り返って来てくれた二人を見てガイは笑った。
「全くだぜ。俺さま女の子のナンパに忙しいんだからあんまり使うなよ?」
「俺はいい暇つぶしになったけどな」
笑顔で冗談混じりに言うゼロスと、面白いモンを見れて楽しかったというスパーダにガイは苦笑すれば、崩れた街をもう一度眺め見てから、背中を向けた。
「じゃ、帰るとしますか!!!」
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