畏怖~ルーク篇~

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ピチャン、と水が跳ねる。 裾に水が付くのはこの洞窟が水に恵まれているから。 じんわりと足元を濡らす水を見て思い出す。 ……昔は靴に水が付くのも、嫌だった。お気に入りの靴が無事ならそれでいいと思って、回りなんて気にもせずに言葉を発言した事もあった。 ……我が儘言いたい放題で皆に飽きられていた。 「本当に、昔の俺って馬鹿だったよな……」 昔、って言うほど昔でも無いけど、自分でも呆れるくらいに。 でも、それでもソコから目を反らしていたらいつまで経っても駄目なままなんだと気がついたから。 「……あの、奥か」 自分をその事に気付かせてくれたあのディセンダーと初めて会った場所。 そこに行けば何かが変わるとルークは剣を握りしめて最奥に足を踏み出すのであった。 .
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