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皆が認める『いい子』になろうと、して。
でも。
「……辛いんだよ、少しでもボロだしゃ、みんなに冷たい視線を向けられるかも知れない。
……そんな事を、ずっっと思いながらこれから先も過ごす気か?
ヒトってのは一度見切りを付けたら、もうほとんどその見切りの付いたモノなんてみやしねーんだよ。だから、お前のやってる事なんて無駄なんだよ!!」
言われた言葉が胸に刺さる。
ルークは胸に手を押し付けて首を大きく降った。
「違う……無駄、じゃない……!」
「あぁ?親善大使なんて大それた名前付けられて、本当は厄介払いされたんじゃねーのかよ。ナディに殺されればいい、くらいな感じでよ」
「……そんな事ない!陛下はそんな人じゃないし、ガイもティアも、アニスもジェイドも俺に付いて来てくれてる!!」
自分でなんとか否定の言葉を探しても、相手の言葉は昔自分が思った思いそのもの。
相手の口からその鋭利な言葉がルークに向けて放たれる度にルークは必死にそれを否定しようとした。
だが、目からは薄く涙が溢れて。
「……ほら、いい加減。認めちまいなよ。お前は誰にも、もう認められやしねーんだから。過去の自分押し殺して不自由に生きるなんて辛いだけだろ?」
……辛い。
そうだ、辛いよ。
誰でもいいから、認めて欲しい。
今の自分も。
……後、ちょっとでもいいから、昔の我が儘だった自身も。
そう、思っていたよ。
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