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ムウト「二人ともそこまでだ……辛いのはわかるがこれから過ごす仲だ。そこまでにしておけ」
ピリピリとした空気になった事を察したのかムウトが口を挟む
氷海「……そうだな、ありがとうな……エウ!」
突然名前を呼ばれてビクッとなる。
氷海「これからよろしくな」
そっと手を差し出す
エウ「えっ?えぁえぇ?」
態度の急変に戸惑っているようだ。
氷海「握手だよ」
エウ「でも……私は白鷲の獣血で……嫌われ者で……」
少し涙目になって言う
エウは優しい子だと感じた
自分と居れば他人からの視線は冷たくなるから、関わらないほうがいいっていう気持ちが痛いぐらい伝わって来る
だから俺は……
氷海「知らないな、お前が嫌われ者かどうかなんて、他人からの目なんてもんを気にしてたら何もできない
俺は他人の意見で動くほど軽くはない、俺は俺自身がどうしたいのかで動く……俺はお前と仲良くなりたい
お前はどうなんだ?」
エウの偽りの気持ちを壊す
エウの本当の気持ちを聞くために
氷海「もうちょっとな素直になろうぜ……せめてこのクラスぐらいはな?」
エウ「……素直になってもいいの?」
声が震えている。今にも泣き出しそうだ
氷海「いいんだよ……皆許してくれる。ここはそういうクラスだろ」
エウは我慢してただけだ、友達という友達もいないで……
昔の俺みたいに
エウ「もう…ヒクッ…我慢しなくて…ヒクッ…いいの?」
氷海「ああ」
エウ「う、うわぁぁぁ」
大声で泣き出す。
今まで溜まっていたものを吐き出すように泣いていた。
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