ノブ

3/11
前へ
/211ページ
次へ
「ぁあ~見ちゃったんだ!!」 何?何で笑ってんの? 「あの人彼女なの?」 「そーだけど?」 「そーだけどって…じゃあ、キスしたのは?あたしにキスしたのは何で?」 「何でって…理由なんかねーよ。別に。」 泣けてきた。こんな男を好きだったなんて、ちょっと期待してた自分が情けなかった。 「もしかして…キスしたから彼女にでもなったつもりだった?あっ!悪ぃ、悪ぃ!!でもさ、俺一言も付き合うなんて言ってないじゃん」 悔しい。 ノブは、あたしを見ながら楽しそうに笑う。 もういい。もう十分だ。 コイツがどんなヤツかわかったし、本当の事も聞けた。 帰ろう。 あたしは、ノブに背中を向けて歩き出した。
/211ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加