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なっちゃんは制服の汚れを軽く落として、痣の所に包帯を巻いてくれた。
ピンポーン
チャイムが鳴る。
「来た!来た!」
なっちゃんが玄関に向かう。
誰が来たんだろ…
「よぉ。」
タケだ。
「この時間一人で帰るのは危ないから。タケに送ってもらいな!」
「ぅん。わざわざすいません。」
「いいから、帰るぞ。」
あたしの前を歩くタケ。
でっかい背中だなぁ…いつも見てんのに気付かなかった。
そんなどうでもいいことを考えながら歩く。
「ん。」
あたしの前にタケの手が差し出された。
「何?」
「手かせ、手」
あたしはタケと手をつないで歩いた。
タケの手って
あったかいね。
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