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「じゃあ河野くん、黄河くんの後ろに座って」
そう言われ、指定された席に向かう。
黄河くんと言う少年の横を通る時に会釈をするカズマ。
すると
「オレ、黄河 聖二(こうが せいじ)。セージでいいから☆よろしくな~」
と言ってくれた。
見かけによらず、社交的でいいヤツのようだ。
「こちらこそよろしく☆俺もカズマでいいから」
カズマはそう言ってセージの後ろの席についた。
カズマの席は窓側から2列目の一番後ろ。
さっき遅刻してきた伊吹と呼ばれた少年の隣でもあった。
伊吹は頬杖をついて、窓の外をずっと見たまま――――。
『伊吹って……いわれてたよな。アイツと同じ名前……』
伊吹の方をカズマが見ていると
「何?」
振り向いた伊吹に睨まれてしまう
「あっ…ι俺河野和真って言うねん、よろしく」
伊吹は自己紹介後に教室に入ってきたので、改めて挨拶するカズマだったが
「橘 伊吹」と伊吹は素っ気なく返すだけ。
「あの、橘くんごめんやねんけど教科書見せてくれへん?
まだないねんι」
おずおず話かけるカズマだが―――。
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