① an encounter

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∑バサッ 教科書をカズマの机の上に乱雑に置いて、伊吹はカバンの中から週刊のマンガを取り出した。 「橘くん見やんの?」 恐る恐る尋ねるカズマの問いに伊吹は頷く。 「え…」 「いいから」 伊吹の人を寄せ付けない、といった空気に押されて 「ありがとう…」 カズマは大人しく借りることにした。 伊吹はマンガに目を向けたまま。 カズマは愛想のない伊吹を少し苦手に思った……。 ◇◆◇◆ キーンコーン   カーンコーン♪ 一時間目終了のチャイムが鳴り、休み時間。 セージが椅子を後ろ向きに座り、カズマに話しかける。 伊吹はどこかに行ったようだ。 「伊吹愛想ないからびっくりしたやろ~っ! でも悪いヤツ違うで。誰にでも口数少ないヤツやねん」 「そうなんや~」 セージとはいい友達になれそうで嬉しいカズマ。 すると、何人か生徒がカズマの席の周りに集まってきた。 茶髪にインテリに見えるメガネをかけた男子が、カズマに声をかける。 「俺、セージの友達の伊集院 誠人(いじゅういん まさと)。マサトて呼んでな」 「コイツ、ダブりやから一個年上やねんで~」 「留学してたって言えよ!」 セージとマサトは仲が良さそう。
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