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懐かしい夢を見た…………
まだ小さな子どもの頃のこと――――
血まみれの小さな俺と
小さなアイツが必死になって助けを呼ぶ姿
アイツは今もどこかで元気にしてるのかな―――――――
ピピピ…
ピピピ…
目覚まし時計に手をかけるこの少年は、河野 和真(こうの かずま)16歳。
この話の主人公の高校生だ。
薄い金髪に薄い青の瞳、白い肌――
染めているわけでも、カラーコンタクトを入れているわけでも、美白に力を入れているわけでもない。
彼の母方の祖母はドイツの人。
いわゆるクォーターというやつだ。
ドイツにいた経験もあるこの少年。
実は先日、大阪に引っ越してきたのだ。
編入試験を見事合格し、今日から彼は大阪にある常盤学園高等学校に通うことになっている。
今日から通う学校に遅刻するわけにはいかない。
カズマは冷たい水で顔を洗い、歯を磨いて、しっかり髪型をワックスで整える。
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