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「赤音ー、早くー」
一足早く支度を済ませたロングヘアーの青衣が、まだもたつく赤音を呼ぶ。
「お母さん、ごめん待たせて!」
ショートカットの赤音が、母の元へ向かう。
赤音と青衣は見つめ合って爆笑した。
双子の二人は一心同体で、寝坊する日も全く同じ。
「二人とも綺麗じゃない。似合ってるわよ、制服」
四十代だとは感じさせない上目遣いで母が二人を見詰める。
赤音と青衣は、美人の母に似て、美人に育っていた。
「お母さんに似てよかったよ」
青衣が黒髪をなびかせる。少し恥じらいが見え隠れする笑いは、青衣のチャームポイントのえくぼが際立つ。
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