第一章

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雪が、ちらついてきた。 吐く息は白い。 このまま籠城した所で滅びを待つだけだ。 どこかで開戦のきっかけをつかみたかった。 陳宮ら幕僚は持久戦に持ち込まれて困るのは曹操だ、その内に兵糧が尽きて撤退する、と言っている。 そんな事は言われるまでもない。 だが、それでいいのか。 そんな命を長らえる為だけの醜い戦を、俺はやらねばならぬのか。 白い雪を見つめながら、呂布は考えていた。 「呂布様。お身体に触ります。中へお入り下さい」 邑京だった。
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