第一章

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「私は、10年近い歳月を、呂布様と過ごしました。私が知る限り、呂布様は籠城などされた事はありませんでした」 呂布は邑京を見つめている。 「守るべき戦況においても、攻める。それが結果として、守ることに繋がる。呂布様はそれを知っておられます」 「……」 「攻めに、攻める。そして首を、取る。ただ、それだけ。戦の真実を体現する。それが、私の知る呂布奉先の戦です。故に籠城は負けです」 はっとして邑京は平伏した。 「ご無礼を申し上げました」 「よい。頭を上げろ、邑京」 呂布は苦笑いした。
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