桃尻夏子の場合

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 私は無力だ。資格も学歴もない。   こんな私にも真面目な友人がいた。 毎日学校に出席し、 宿題も毎回提出。 私は真面目な友達にその宿題を写させてもらう日々だった。 私が学校をサボった時も、その真面目な 友達がその日のノートを貸してくれた。 でも、私はその真面目な友達とは違い、毎日のように遊び続けた。 携帯メールにハマったのを栄えに私はその真面目な友達とは遊ばなくなった。 彼女は携帯電話すら親に買わせてもらえず、門限も午後6時。    午前6時に帰ってくる事もあった私とは全然違った。 彼女はバイトも禁止。私は出会い系で月に5万も稼いでいた。 私は彼女を心の中でバカにしていた。 あんな平凡な人生は死んでもごめんだと思っていた。 でも、今は羨ましい。彼女は大学に行き、私は高卒。   相変わらず彼女の人生は平凡だ。顔も平凡。   ただ、肌が透けるように白く、同姓からもその白さを羨ましがられていた。 私は、肌以外は彼女 よりも全てにおいて優れていると思っていた。 でも違った。あぁ。戻りたい。彼女と遊んでいたあの時代に。でも、もう戻れない。出会わせ系サイトに入らされてしまったから。
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