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  「砂糖はあまり良くないですよ。そんなことしたら、野菜ジュースに変えます」 そう言った誉が一瞬、林場に見えて瞬きをした。 「え?…野菜ジュース嫌いだからやめてくださいね?」 (やっぱり林場みたいだ) 林場は糖類たっぷりなジュースではなく、不規則な生活を送る唯に野菜ジュースを飲ませていた。 林場をはじめ屋敷の使用人はみな、顔を隠していたため唯はこの誉は屋敷の使用人なのでは?と考えた。 しかし、斑鳩誉という人間はいなかった。 「誉、私は病院に戻るから車を用意しなさい」 「かしこまりました、理事長」 誉は笑みを浮かべ、理事長室を出た。そして理事長室はコホンと咳払いをした。 「役者だね、君は」 「大根役者ですけど」 唯は角砂糖を1つつまみ上げ口に入れて、ペロリと唇を舌で辿った。 「問題児にならないように頑張りますね」 人の悪そうな笑みを浮かべる唯と人の良さそうな笑みを浮かべる理事長、対照的だなと瑛一は思っていた。 「君は天上天下唯我独尊の天上唯君だろうから、校舎が壊れない程度にならストレス発散しても構わないさ。後処理は私ではなく瑛一がするからね」 人が良いのか悪いのかよく分からない理事長は誉が来ると自分もさっさと行ってしまった。 残された瑛一は溜め息をついて唯を見た。 この学校に来た時点でこの容姿の唯はいじめられるだろうが、いつ化けの皮が剥がれるか分からない。 皮が剥がれたとき、この学校はどうなるのか。 (…これはこれで楽しくなりそうだ)  
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