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  トントンと扉をノックする音が聞こえ、麗一はサッと姿を眩ました。 「失礼しまーす」 入ってきたのは無精髭を生やしたやる気のなさそうな教師だった。 容姿は良しとして、輝きと言うものがない死んだような目をしている。 「遅いぞ」 「あー。生徒に誘われたんで一発ヤってきまし…」 「またか。モテる男は辛いようだ」 生徒に誘われるまま手を出していたらしい男に瑛一は呆れて溜め息をついていた。 「この万年発情期のヒゲ野郎はお前の担任の橋倉桂哉(はしくらけいや)だ」 (素出てるぞ、理事長代理…) 「僕は天上唯と言います。よろしくお願いします」 唯がそう言い終えると、担任の桂哉は無遠慮に唯をじろじろと見る。唯は思わず舌打ちをしそうになった。 「タイプじゃねぇ」 タイプじゃないと言われた唯は、そういうことを言われ慣れているためかなにも思わなかった。 「で、言いたいことはそれだけですか?」 笑う唯の周りにはマイナスの冷気が漂っていて、瑛一と桂哉は身の危険を感じた。 そして桂哉の頭上からはなにかが落ちてきて、咄嗟に桂哉は避けた。 ナイフが床に落ちていて、紙が巻き付けてあった。 桂哉が紙を広げて瞠目した。 「"死を以て子(し)を制す"?」 死を以て子を制す、そんな言葉が血のように真っ赤な墨で書いてあった。 唯は天井を見上げると、天井には穴が開いていてこの学校の制服を着た生徒が気配を消して降りてきていた。  
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