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  理事長室を出て、教室への長い長い迷ってしまいそうな廊下を桂哉と歩いていた。 「迷うかもしれんが覚えろよ」 「はい」 唯の頭にはこの校舎の造りは全て叩き込まれているので迷うことはない。 やがて1年B組の教室の前へと辿り着いた。 「呼んだら入って来いよ」 桂哉はさっさと教室へと入った途端、耳が痛くなりそうな悲鳴が聞こえてきた。 抱いて、よく理解出来ない言葉が聞こえ唯は頭を抱えた。高校選択を間違えたのではないか、と。 「うるさい。いきなりだが、編入生がやってきた」 そう言うなり、生徒達は騒ぎだしあれこれと言いはじめた。 可愛い子がいい、カッコイイ奴がいい…どちらにも当てはまらない唯はクラスメート抹殺を考えていた。 「入ってこい、天上」 唯が教室へと入るなり、シーンと静かになった。 「天上唯です。よろしくお願いします」 唯がそう言うなり、ハズレだとか聞こえてきた。 (うぜぇ…。やっぱり親の会社から潰そうかな) 物騒なことを考えていた唯になにかが飛んできて、唯はちょろいと指で弾いた。 指で弾かれたのは野球ボールで、投げた生徒の顔面に直撃した。 「おい、天上」 「持ち主にお返しただけです」 ニコリと笑う唯に恐怖を覚えた桂哉は生徒に釘をさしておくことにした。 「忠告しとく。こいつをいじめるな」 そう桂哉が言った瞬間、野球ボールを投げた生徒の机にナイフが突き刺さっていた。 (天井裏になにがいるんだ?) 桂哉は益々、唯の正体が気になりはじめていた。  
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