1章 出会い

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【圜】 「・・・・・・大きい」  少女の口はあきっぱなしだ。  すこしだけ袖の長い真新しい制服を着て、  気合いをいれたのか、それともそれが基本スタイルなのか、    後ろに大きく作ったおだんご頭、  それと、くりっと大きな目がかわいらしい少女だった。  上を見ても周りを見ても、果てが見えないのは、少女の背がちょっと低いせいでは断じてない。  このウィステリア国では、何をするにも精霊が必要で、必ず学院に入り、精霊と契約するための勉強をしなくてはならない。  そのため学院はたくさんあるのだが、  契約したい精霊が珍しい、  また、  強い精霊と契約したい、  そう願うものほど、高い水準の学院に入学しなければならない。  国の中で最高峰と謳われるこの学院は、入学試験の難しさはもとより、カリキュラムの難しさも有名で、  生徒数・教師数・学院の大きさなど、全てにおいて最高峰であった。 「こ、こんなに大きい学院だなんて・・・」  少し気後れするも、首をぶんぶん横に振り、最後に大きくうなずく。 「・・・うん。・・・大丈夫。絶対に、叶える。」 「よしっ」と気合をいれ、タイムスケジュールの入った紙をみる。  今日は入学式と、クラスでのオリエンテーション・教科書配布というスケジュール。  まずは、入学式の行われるホールへとむかった。
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