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【圜】
「・・・・・・大きい」
少女の口はあきっぱなしだ。
すこしだけ袖の長い真新しい制服を着て、
気合いをいれたのか、それともそれが基本スタイルなのか、
後ろに大きく作ったおだんご頭、
それと、くりっと大きな目がかわいらしい少女だった。
上を見ても周りを見ても、果てが見えないのは、少女の背がちょっと低いせいでは断じてない。
このウィステリア国では、何をするにも精霊が必要で、必ず学院に入り、精霊と契約するための勉強をしなくてはならない。
そのため学院はたくさんあるのだが、
契約したい精霊が珍しい、
また、
強い精霊と契約したい、
そう願うものほど、高い水準の学院に入学しなければならない。
国の中で最高峰と謳われるこの学院は、入学試験の難しさはもとより、カリキュラムの難しさも有名で、
生徒数・教師数・学院の大きさなど、全てにおいて最高峰であった。
「こ、こんなに大きい学院だなんて・・・」
少し気後れするも、首をぶんぶん横に振り、最後に大きくうなずく。
「・・・うん。・・・大丈夫。絶対に、叶える。」
「よしっ」と気合をいれ、タイムスケジュールの入った紙をみる。
今日は入学式と、クラスでのオリエンテーション・教科書配布というスケジュール。
まずは、入学式の行われるホールへとむかった。
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