1章 出会い

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【圜】  が、ホールがどこかわからない。  入学案内書をひらいて、地図を確認する。 「えっと……あれ?こっち?」  右に曲がろうとすると、トンと右肩を叩かれた。 「はずれ、だよ?」  振り向いた先には、目も眩むような美少女。 「ハイ、リリ。」 「!!ユズキ!!」  思わず抱きつく。 「わっ、ちょっとリリ。」  しかし嫌がってる様子はない。  大親友、ユズキだった。 「久しぶりだね、リリ。」 「うん!うん!元気だった?」 「うん、まあまあ。でも、淋しかったよ。」  うるると涙ぐむ。  二人は、高学院(中学校のようなもの)時代からの大親友だ。  昔、ちょっとした諍いがあって、それをきっかけに二人は、誰よりも話すようになり、誰よりも同じ時間をすごした。  高学院最後の年、リリは入学試験勉強、ユズキは、両親の方針で留学することになり。  再会はこの学院でと誓っていた。  連絡はとりあっていたけれど、半年ぶりの親友との再会だった。 「ホールはこっち。席も近いわよ。」  その指は先程リリが行こうとしていた方と反対を指した。 「席近いの!?もしかして、同じクラス!?」  リリの顔が輝く。 「当然。」  ふふ、と笑って、リリの手をひく。  二人はホールへとむかった。
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