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【ルカ・後】
自己紹介などが終わり、下校時刻になったので、
リリとユズキは校門を出た。
お互い、この後別々の用事があるため、
ユズキと校門で別れたリリは一度後ろを振り返り、
拳をつくって、力をこめ
(さあ! がんばるわよ!!)
と気を引き締め、帰路についた。
※ ※ ※
忘れ物をした、というウカ=リクを校門で待っていたルキは、
目の前で拳に力をこめている少女を不思議に思った。
(何なんだ? あの子は?)
今にも拳を挙げ、
「ちょっと危ない人」?
になりそうな少女を眺めていると、
「ルキ!」
という声が聞こえた。
声のする方を向くと、
今日配られたばかりの教科書をかかえながら、ウカ=リクが走ってきた。
「まったく、うっかり君だなぁ。
教科書全部忘れるなんて、ありえねーだろ。」
呆れたように言うルキの言葉に、
ウカ=リクは、とある部分に反応した。
「おい、今『うっかり』とか言わなかったか?」
「きのせいだろ。」
しかし、ルキに否定された。
ウカ=リクは、それ以上追求しなかった。
せっかくのはれの日だ。
追求して気分が悪くなるより、気にしない方がいい。
何せウカ=リクは、
言論でルキに勝てたためしがないのだから・・・・・・。
「さて、何かメシでも食ってくか。」
その言葉で、二人は校門をでた。
こうして、彼らの学校生活は始まった。
【カリサヤ・前】
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