*第一章*

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~♪♪♪♪♪ 携帯が鳴った。 このメロディーは電話着信だ。 『…面倒くせぇなぁ』 ベットから重い体を起こし、携帯を手にとった。 ――ピッ 『はい、もしもし。』 『あっ、偉智?俺俺!!』 『…オレオレ詐欺なら切るぞ』 『ばっ、違げぇよ!!俺だよ!!謙吾だよ!!』 『分かってるって(笑)で?何だよ?』 『…今から家来れないか?…いや、来てくれ!!見せたいモノがあるんだ』 『あ、あぁ。分かった。』 電話を切り、出かける準備をする。 今から俺は電話の主の家まで行かなければならない。折角の休日が台無しだ。 俺の休日をブチ壊してくれたのは《相田謙吾(アイダケンゴ)》 一応俺の親友だ。 何かと厄介事を持ち込んでくれる…だから“一応”なのだ。 そんな謙吾に呼ばれた可哀想な俺は《真田偉智(サナダイチ)》 頼まれたら断れない性格…言わゆるお人好しと言うやつだ。 引き受けた後はいつも後悔する。 …今の様に。 『だりぃな…電話とるんじゃなかった…。』 自転車を走らせ1分。 早くも後悔の念が押し寄せる。
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