*第一章*

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淡い期待を胸に階段を上がった。 親に見せられない… 年頃の男の部屋に隠すと言えばアレしかないだろう♪ ―カチャ 謙吾の部屋のドアが開いた。顔が自然とニヤケていくのが分かった。 『適当に座ってくれ』 謙吾の言葉に無言で座る。 ―ガチャ 『これなんだけど…』 クローゼットから取り出した箱を俺の目の前のテーブルに置いた。 『…何だこれ?』 俺はがっかりした様に尋ねた。 俺の期待を見事に裏切っていたからだ。 謙吾が取り出した箱は、細長い長方形のダンボール箱だった。 『何がっかりしてんの?エロ本だと思ってた?(笑)』 ニヤニヤしながら俺の顔を覗き込む謙吾。 『はぁぁ?べ、別にそんなもん期待してねぇよ!!』 どもってしまった…。 正直期待していた。痛い所をつかれ、とっさに反応したが…これじゃあバレバレだよな。 『ふ~ん?』 意味あり気な笑みを浮かべる謙吾が憎たらしい。 『で?何だよこれ?』 いつまでもいびられるのはゴメンだ。 とっさに話題を戻した。
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