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『おい!!何か言えよ!!』
俺は謙吾に問いかけた。
重い空気が“本物”だと言っている様で、耐え難い。“マネキンだよ”その一言を聞けば解決するんだ。
何か言ってくれ…。
『これって…』
漸く喋り出した謙吾をじっと見つめ、首を縦にふり“うんうん”と頷いた。
しかし、次の言葉で一気に気が抜けた。
『…マネキン…なのかなぁ?』
『はぁ?』
俺が問いかけたのに、それに問いかけ返されたのだ。俺が聞きたいのに、“アレ”の持ち主が《何だろこれ?》じゃ、話にならない。
『お前が何で分かんねぇんだ?自分で買ったか、貰ったかじゃねぇの?』
『ん…確かに。自分で買ったっつうか…貰ったっつうか…』
言葉を濁し、何か言いたげそうな顔をした。
それを察した俺は、
『だけど…何だよ?全部説明しろよ!!こんなもん見せられて、何も分からないじゃ気味悪いじゃん!!』
『だな…』
そして謙吾はゆっくりと事の始まりを語り出した。俺は所々相槌を入れながら聞いていた。
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