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要(かなめ)「春もうらら、桜は満開、桜吹雪が舞い上がるというより砂ぼこりの舞う春は……育ち盛りの俺たちにとって少しも腹の足しにならない」
要「あー風強ぇー、ったく誰だよ屋上で弁当食おうなんて言い出したのは」
春(しゅん)「だって、天気いいのに教室じゃもったいないじゃないですか」
要「おかず砂まみれになる方がよっぽどもったいねーっつの!」
春「あ、じゃあボクのサンドイッチから好きなのとってくださいよ」
悠太(ゆうた)「要なんかに必要ないよ春、ちゃんと自分で食べなさい」
祐希(ゆうき)「要ボンボンでしょ、おかずの一つ二つで何さわいでんの」
要「いちいちつっかかってくんな双子。俺はお前らの巻き添えくらうつーのが腹立つんだよ。まあ…砂ついても腹にはいりゃ同じだけどよー」
悠太「だったら誘った時断ればいいのに…」
祐希「ね、素直になりなよ要」
要「う、うっせえよ!」
春「そういえば要くんと祐希くん、同じクラスになるの初めてですよね。どうです? ……あれ?…あの…」
要「どーもこーも最悪だよこいつ、クラスの誰に話しかけられても基本が無視なんだよ」
春「えっ、そうなんですか……祐希くん?それってまずいんじゃ……」
祐希「べつに故意に無視しようなんて思ってないよ、ただ誰の言葉もオレの中にまで響かないだけで」
要「単にお前が人の話聞いてねぇだけだ」
春「悠太くん……」
悠太「いんじゃない?そういうのも祐希だと思うし、一匹狼っていっても誰かを傷つけてるわけじゃないし」
春「無視されたら十分傷つきますよ……」
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