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「いてて……。何なんだったんだ?」
僕はボロボロな身体で、家への帰路に入っていた。
結局、あの女子生徒は何だったんだろう?僕をフルボッコにした後、顔を真っ赤にしてどっか行っちゃったけど……。
「もうあの女の子には関わらない方がいいかも」
しまったな。蜜谷香寺さんの忠告、しっかり聞いとくんだった。
そう後悔しながら、あの女の子には関わらないと心に誓った。
「ただいま~」
「兄さん兄さん!大変大変!」
「有理!大変だぞ!」
自宅に着くと、由香と鷲が玄関まで駆けつけてきた。
「?どうしたの?そんなに焦っちゃって」
「焦るって!とりあいず、こっち!」
「?」
由香に連れられ、僕はリビングへと入る。
「んなっ!?」
あまりの驚きに、転んでしまった。
「だ、大丈夫ですか!?」
僕の驚きの元凶が、こちらに近付いてくる。
僕はゆっくりと顔を上げ、そこにいた元凶を見た。
そこにいたのは、殺風景なこのリビングには似つかわしくない絶世な美少女だった。艶やかな長い金髪、雪を思わせる白い肌、青い瞳。
その三点を持った金髪碧眼の絶世な美少女が立っていた。もう一度言う。
絶世な美少女がそこに立っていた!大事なので、二回言いました。
「あ……あなたは?」
「あ、申し遅れました。私は有楽・リィン・エーニアと申します」
90度頭を下げた後、耳を疑いたくなる言葉を発した。
「有理様と由香様のお父様の命により、本日よりこの家のお手伝いとして来ました。これからよろしくお願いします」
最後に、にこやかな笑顔。
父さん、いきなり何なのさ。悪い事を僕達はしたのか。教えてくれよ、父さん。いや、父さんじゃなくてもいい。
誰か、こんな現実は夢だと言ってくれよ!
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