高梨屋朱里

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リィンちゃんが作ってくれた朝食を食べ終わり、僕は洗濯物を干し、ゴミを出してから東雲学園へと登校した。 由香は今日、体調が優れない様子で欠席するとの事。 本当なら、僕も学園を休んで由香の看病をしたい所だが、家にはリィンちゃんがいる。だから、その点は心配ないだろう。 「お、有理発っ見!」 「本当だ。おはよ~、鳥羽君」 と、そんな時、僕の後ろから聞き慣れた声が聞こえた。 「あ、おはよ、鷲に蜜谷香寺さん」 足を止めて、後ろを向くと、そこには鷲と蜜谷香寺さんの二人がいた。 「あれ、今日由香は?」 「体調不良だってさ。お手伝いさんのリィンちゃんに看病してもらってるよ」 「リィンちゃん……?…………ああ、昨日突然来た人か」 「リィンちゃん?誰それ?」 昨日の事を全く知らない蜜谷香寺さんは、首を傾げた。 「蜜谷香寺、実はな、かくかくしかじかでな」 「ふむふむ。昨日突然現れた謎のお手伝いさん、ね」 「しかも、金髪碧眼の女の子でな。大人びてて、女性と間違えやすいけど、よーく見ると、美少女なんだわ」 「マジすか!?ちょっと鳥羽君。どこでフラグ立ててんのよ?」 「いやいや!フラグ以前に、父さんからの命令で来たとか何とか言ってたけど……?」 「へぇ……」 全く納得のいってない顔で言われた。 「あ、そうだ。ロリコン」 「誰がロリコンだ!?」 「ごみ~ん、間違えた。神奈君。妹さんとは仲直りした?」 「情報屋でもないお前が、どこでそんな情報を……、まぁ、仲直りしたよ。おんなじプリン買ってあいつにあげたら許してくれた。“し、仕方ないから許してあげる”だってよ」 そっかぁ。仲直りしたか。よかったよかった。 そんな他愛のない話を三人でしながら学園へ向かった。 「でさー、今回の情報はお買い得だぜ?今日のヤマネコスーパーに売り出す卵(10個入り)が1パック50円だってよ」 「神奈君、その情報私の家に来てたチラシに書いてあったよ」 「ちぃっ!バレたか!」 「あははっ。鷲の情報はたまに皆が知ってる時があるからね」 「しかし、それは10分の9の確率だぜ!」 「頼りにならない情報屋だわ」 「う、嘘!今の嘘な!」 と、三人で校門をくぐる……と、 「待ってたわ。鳥羽有理」 やや高めの女子の声の人が、僕を呼んだ。
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